涙の病気

涙の病気・ドライアイイメージ画像

代表的なものに鼻涙管閉塞症があります。
涙がたまる、常に目が潤んでいる、目やにがでる、などの症状が続く場合は、鼻涙管閉塞症の可能性があります。乳幼児では、先天的に鼻涙管が細いこともありますが、多くは1歳半になるくらいまでに自然開通することがほとんどですので抗生剤点眼で経過をみます。

検査

まずは診察により涙液の量を確認してから、通水検査を行います。涙点(涙の出口)に水を通して、閉塞している箇所を調べる検査です。少し痛みを伴う場合もありますがしっかり麻酔をしたのちに行います。当院でも行っております。

治療

抗生剤点眼薬

目脂・流涙が軽度であれば点眼のみで経過をみることができることも多いです。

通水・涙管チューブ挿入術

通水検査を定期的に行い涙の流れをよくしますが、改善がみられなければ、涙管チューブといわれる管を通して鼻涙管を広げる治療が必要です。鼻の内視鏡などを用いながら行うため専門医療機関にご紹介させていただきます。
乳幼児では涙のうとよばれる目頭の内側の部分あたりのマッサージを行いながら眼脂に対しては抗生剤点眼用いながら経過をみます。成長とともに自然開通し治癒していくことが多いですが、治癒しなければブジーといわれる閉塞している部分を開通させる処置を行うこともあります。その際鎮静をかけて行う必要があるため専門医療機関にご紹介させていただきます。

ドライアイ

目が乾くことによって不快感を生じる病気です。ドライアイには①涙液分泌減少型②蒸発亢進型③水濡れ性低下型のタイプがあり、それぞれ有効な治療法や点眼が異なります。

正常な目の表面とドライアイの目の表面の図 出典:参天製薬公式サイト

検査

細隙灯顕微鏡検査

目の表面の傷を見る検査です。 フルオレセインという黄~橙色の試薬を点眼すると、角膜(黒目)の傷のある部位が染まります。 細隙灯顕微鏡で染色部を観察しながら、傷の有無や程度をチェックします。

BUT検査

涙の質を調べる検査で、目を開いてから目の表面の涙の膜が破壊されるまでの時間(BreakUpTime)を測ります。BUTが5秒以下の場合、ドライアイが疑われます。

シルマー試験

涙の量を調べる検査で、目盛りのついた専用の試験紙を下まぶたの端に5分間挿入します。試験紙が涙で濡れた長さで、涙の量を測ります。 涙の量が5mm以下の場合、ドライアイが疑われます。 試験紙の挿入による刺激で分泌される涙の影響を避けるために、点眼麻酔を使用する「シルマーテスト変法」を行うこともあります。

シルマー検査、涙の量が少ない人と多い人の比較イメージ画像 出典:参天製薬公式サイト

治療

点眼薬

従来は、水分を補給し、傷ついた角膜を修復するタイプの目薬が使用されていました。最近では、涙の各成分に直接はたらきかけるタイプの目薬が開発されたことにより、ドライアイ患者さんごとの涙のタイプに応じて、正常に機能していない涙の層をターゲットとした層別治療が可能になりました。

涙点プラグ

点眼液で効果が得られない場合は、涙点閉鎖による治療を行います。 涙の排出口である涙点をシリコンや合成樹脂製の涙点プラグを挿入し閉じ、涙の流出を抑えます。

涙点プラグ使用イメージ図 出典:参天製薬公式サイト

キープティア

プラグと同じ効果を期待して行いますが、プラグではなくコラーゲンを涙点に注入します。コラーゲンは約1か月で自然に消失します。

キープティアパッケージ キープティアパッケージ内